「他社工場を見学して自社に活かす」をテーマに呉生産技術セミナーでは工場見学を随時開催しております。

今回は、福岡県久留米市にある切削工具メーカーの株式会社タンガロイ九州を訪れ、製造現場を見学しました。

工場では、焼結体工具と深穴加工工具などを製造しています。焼結体工具の製造工程は、まず立方晶窒化硼素（CBN）などを
焼結したブランクスがタンガロイいわき工場から運び込まれ、それらをカットしてベースチップとろう付けし、スクイ面や外周を加工したあとホーニングし完成します。ブランクスのカットは放電加工機により、三角、菱型、四角形にカットされています。現在、外周加工とホーニングは手動加工から機械化され、またベースチップの座繰り加工は女性作業者でも可能なように工夫されるなど、様々な改善と自動化の結果、ある工程の作業員数は15名から4名になり、24時間稼働が可能となったそうです。

 深穴加工工具ではろう付けとインデクサブルの2種類のガンドリルが製造されています。最近は径調整も可能なインデクサブルタイプが好評で、切削速度を上げられ加工時間も短くなるとのことです。

参加者の皆さまからは
「ロボットを活用した加工や検査工程は参考になった」
「自分たちが普段使っている工具がこれほどまでに精密に作られていて感動した」
「画像測定器で検査時のばらつきを抑え、管理しているのが興味深かった」
「安全対策や在庫管理の方法が分かりやすく随所に掲示してあり自社でも検討してみたい」
「管理が行き届き気持ちの良い工場だった。自社もそうありたい」
などの感想をいただきました。